les feuilles

ルボア卒業生AMPP認定マスター/メディカル・フィトテラピストによるフィトテラピーな毎日

ピマン・デスプレット☆

 

皆さま、こんばんは!Yuki☆です。

 

ルボア時代、アドバンスコース生だった時に

「フィト(=植物)的なテーマなら何でも自由にプレゼンして良いよ!」

という課題があり、

そのころ旅したフランス、バスク地方にある

エスプレット村の特産、ピマン・デスプレットPiment d'espelette

(=エスプレットのトウガラシ)

と唐辛子全般?についてのプレゼンをしたことを、

最近ふっと思い出しました!

 

トウガラシ

科名:ナス科トウガラシ属

原産国:中南米

土壌によく適応するため、世界中で栽培

自然交配が盛んなため、現在では数百種類~数千種類に。

多種多様であるが「辛みのあるもの」と「辛みのないもの」に大別。

辛みのあるもの・・・鷹の爪、八房、伏見など

辛みのないもの・・・ピーマン、パプリカなど

 

フランス語でトウガラシを「ピマン(piment)」と言い、

ピーマンの語源になります。

英語ではsweet pepperと呼ばれるピーマンもトウガラシの一種で、

「ししとう」も辛みのないトウガラシの一種であることは興味深いですね。

 

また、歴史的なところで、トウガラシが広く知られるようになったのは、

15世紀、コロンブスの新大陸発見のとき。

「インドのコショウ」を目指したコロンブスが、カリブ海に浮かぶ

西インド諸島をインドと思い込んだのは有名ですが、

このときコロンブスが現地で見つけたトウガラシを

コショウと勘違いして伝えたことから、

今でも英語のトウガラシ名「red pepperレッドペッパー」のように、

世界各地でコショウと混同した名前が付いているのも面白いです。

 

トウガラシの辛さは、カプサイシンと呼ばれる辛み成分。

カプサイシン

ジヒドロカプサイシン

ノルジヒドロカプサイシン

ホモカプサイシン

ホモジヒドロカプサイシン

の、主に5種類を指し、トウガラシの品種によって比率が変化します。

カプサイシンの主な働きはこちら:

●体温上昇、発汗し、脂肪を燃焼させます。

●胃を刺激し、食欲を増進します。

●辛みを感じることによって、塩分が少なくても薄味と感じません。

●熱に強いので、調理で加熱しても成分に変わりはありません。

 

漢方の生薬名としては「蕃椒ばんしょう」といい、健胃、発汗作用があります。

外用薬として温湿布などに使われますが、

カプサイシンの外用に末梢血管拡張する効果はないようです。

温かみを感じるのは、カプサイシンが、痛覚、高温などのセンサーである

TRPV1を刺激することで起こる、擬似的なもの、とのこと。

寒冷地では靴の中に入れてしもやけや凍傷の予防として使う

民間療法がありますが・・・^^。

 

ほかにも医薬品としてのトウガラシチンキがあったり、

防犯用に?トウガラシスプレーがあったり、

米櫃内の虫よけに乾燥トウガラシが使われたり、

ブーケの彩りや室内装飾に同じく乾燥トウガラシが使われたり・・・

いろいろな使い方、楽しみ方がありますね♪

 

そんなわけで、世界各地にいろいろなトウガラシがありますが、

今回のお話は、フランスはバスク地方、エスプレット村のお話。

 

 f:id:les-papillons-roses:20160207012259p:plain

 f:id:les-papillons-roses:20160207012456p:plain

 

スペインにまで及ぶバスク地方のフランス側、

国境に近い地域にある、エスプレット村。

 

 2014年3月末に、お友達を訪ねてバスク地方を旅したとき、

サン=ジャン・ド・リュズという街を拠点に、

車でいろいろ(スペインまでも!)旅したときのことです。

 

フランスでは、エスプレット村といえばトウガラシの産地として知られ、

バスク地方の街を行けばお店や食卓、どこでも見られます。

辛みがそれほど強くなく、どんなお料理にも合います。

 

f:id:les-papillons-roses:20160207013543p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207013612p:plain

↑サン=ジャン・ド・リュズのマルシェの加工肉屋さんで見た、

ピマン・デスプレットのパウダーやジュレ(ゼリー状のジャム)。

パテやソーセージの付け合わせに。

 

f:id:les-papillons-roses:20160207013947p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207014004p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207014023p:plain

 f:id:les-papillons-roses:20160207014039p:plain

 ↑エスプレット村から帰る途中の、山間にあるレストラン。

テーブルには、やっぱりピマン・デスプレットが。

 

f:id:les-papillons-roses:20160207015439p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207015532p:plain

↑ピマン・デスプレットは、AOPを取得しています。

同じトウガラシでもエスプレット村で作られていないものは、

このラベルを付けることができません。

 

AOP・・・Appellatiion d'origine protegee(EU統一の)保護原産地呼称

ワインやチーズ、農産物などに対して土地由来による差別化を認定するための

「地理的表示」のひとつ。

 

バスク地方に行ったら、エスプレット村に行きたい!

と思っていたくらい、念願のエスプレット村。

村に入ったとたん、どこもかしこもトウガラシだらけでした!

 

f:id:les-papillons-roses:20160207020544p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207020615p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207020639p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207020659p:plain

 

そして、衝撃だったのが、チョコレート屋さん。

トウガラシ入りのチョコレートを、生まれて初めて食べました。

まさかチョコレートにまで合わせるとは!と思いましたが、

食べてみたら美味しくて、新発見!でした☆

 

f:id:les-papillons-roses:20160207020917p:plain

↑Paquesイースター前だったからか、それ用のチョコレート飾りが!

f:id:les-papillons-roses:20160207020936p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207021032p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207021057p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207021118p:plain

f:id:les-papillons-roses:20160207020836j:plain

↑これが、そのチョコレートです!

 

・・・そんな旅の思い出から思いついた、

ピマン・デスプレットとチョコレートのデザート。

ネットで検索したら、こんなものがヒットしました!

GI値の低い(血糖値の上がりにくい)ココナッツシュガーを使っていたり、

小麦粉不使用なので、グルテンフリーでヘルシーなデザート!

 

f:id:les-papillons-roses:20160214002735j:plain

*写真は材料の2倍量で作っています(^^)

 

ショコラとピマン・デスプレットのクリーム

 

材料(2-3人分):

卵黄 3個

牛乳 200ml

生クリーム 200ml

ダークチョコレート 80g

ココナッツシュガー 30g

ピマン・デスプレット 小さじ1/2

 

1) 牛乳と生クリームを小鍋に入れ沸騰させ、火から下ろす。

2) ボールに卵黄とココナッツシュガーを入れ、力強くかき混ぜる。

3) 2)を1)の鍋に流し入れる。

4) スパチュラでよく混ぜ合わせ、再び火にかける。止めずに混ぜ合わせる。

5)ダークチョコレートとピマン・デスプレットを加え、止めずに混ぜ合わせ続ける。

6) 2つのきれいなグラスに5)を分け入る。冷まして粗熱をとり、冷蔵庫で最低3時間冷やす。

 

f:id:les-papillons-roses:20160214003041j:plain 

*ちょっとダマ?になっているのは、ご愛嬌(^^)

 

そろそろバレンタインの時期(*^0^*)♪

今年は一風変わった、フィト的チョコレートデザートにトライしてみませんか?

 

 

,《参考文献》

 ●Wikipedia-唐辛子

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E8%BE%9B%E5%AD%90

●唐辛子のおはなしー江崎グリコサイト

www.glico.co.jp

●Gourmicomレシピサイト

www.gourmicom.fr