les feuilles

ルボア卒業生AMPP認定マスター/メディカル・フィトテラピストによるフィトテラピーな毎日

ローズの魅力!〜ブルガリア大使公邸訪問記〜

こんにちは、cottonsnowです。

先日、めったに入れない場所へ行ってきました!

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 都内にある、ブルガリア大使公邸! 

 

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「美の象徴・ブルガリアンローズの魅力に迫る~ブルガリア大使館で過ごす 花・華・Цвете 」というセミナーが行われたのです。

 

なかなか普段は入れない場所、しかもテーマがローズ!こんな贅沢な企画はまたとないと、すぐに申し込みました(申し込み開始からすぐに定員に達した人気ぶり!)

 

会場に着き、一歩足を踏み入れると、ローズのなんともいい香りがお出迎え。

 

香りに導かれて足もとを見ると、バラが。

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古い型の蒸留器も、こんなディスプレイで素敵に。

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会場内のそこかしこにも、薔薇・バラ・ばら!

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当日はブルガリアをイメージしたドレスコードでお越しください(ただし自由参加で)ということで、会場はバラの柄やローズピンク色の服を着た方、バラの花をつけた方がいっぱい。私も爽やかなヨーグルトのイメージで、白のワンピースの上に薄いブルーのカーディガンを羽織って出かけました(そういえば写真撮らなかったな〜)。

 

 

さて、駐日ブルガリア共和国特命全権大使のコツトフさんのごあいさつのあと、セミナー開始。

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午前中は、ブルガリアでローズ精油生産に携わる、フィリップ・リシチャロフさん、お昼をはさんで午後には、アロマテラピーという言葉が浸透する前から「ハーブ紀行」という企画で世界各地の精油の生産地などを飛び回って来られたパイオニア・佐々木薫さんに、ブルガリアンローズの歴史や現在についてお話を伺いました。

 

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お話されるフィリップさん。

 

起伏に富んだ地形と、北は涼しく南は地中海性の温暖〜熱帯の気候という、寒暖差に恵まれた条件を利用して、古くからローズの生産が盛んだったブルガリア

 

17〜18世紀には主にローズウォーターのために生産されていましたが、18世紀後半、フランスで香水販売店ができた頃から、ブルガリアンローズ精油の生産・輸出がはじまったとのこと。

 

バラの谷」と呼ばれるカザンラク地域では、5月初めから6月にかけての収穫期、日の出でローズの香りが集まる6時頃から丁寧な花摘みの作業が行われます。ローズ精油1キロにつき3000〜4500キロの花が必要、ということで、採れるローズ精油はとても貴重。

 

ブルガリアンローズ精油の特徴は、ダブル蒸留法といって2回蒸留すること。そして、摘んだばかりの新鮮な花をきれいな水でスチームすることにより、「ゴールデンリキッド(黄金の液体)」という世界最高品質のローズ精油ができるのです。

 

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しかし、近年では手作業で花を摘む労働者の高齢化による労働力不足、偽和精油という品質を偽った精油が出回る問題、温暖化による気象条件の変化など、困難な事情もあるようです。

 

それでも、国内で厳しい基準を設け、検査ののち認証を受けたものだけを「ブルガリアンローズ」と表示して世界へ送り出しているだけあり、その品質は世界最高峰。近年のアロマテラピーや芳香植物の人気もあり、世界のローズ精油需要はますます高まっています。

 

これからも誇りを持って、短期的な利益にまどわされず350年続くローズ精油の伝統をこれからも守っていく、という生産者フィリップさんの言葉には力強いものがありましたし、「ハーブ紀行」で初めて訪れたのがブルガリアで、バラの谷に魅せられてしまったという佐々木さんのお話に、いつか私もバラの花を摘みに行きたいな、という夢が広がりました。

 

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よく本などで拝見してましたが、今回初めてお目にかかった佐々木薫さん。素敵な方でした!

 

お昼は、ブルガリア料理のブッフェ!

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ずらりと並んだ、珍しい料理に目を奪われます。

 

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 上の写真手前にある、「スネジャンカ」というきゅうりをヨーグルトで和えたサラダと写真には写っていないけれどブルガリア周辺諸国の代表料理「ムサカ」がおいしくて、おかわり!さすがヨーグルトの国、味わいが濃厚なスネジャンカ。自分でも作ってみたい!

 

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バラのタワーも美しく。

 

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ローズのゼリーもおいしかったです。

 

 

素敵なお庭も散策してきましたよ〜☆ 

 

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外でも食べられるように、バラを飾ったテーブルも用意されていたのですが、まだ肌寒くてほとんどそこで食べる人はいなかった…苦笑。

 

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桜にもまだ早かったけれど、ひと枝だけ咲いてました。

 

 

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可憐なシャガの花。

 

 

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すみれの花があちこちに咲いていて、踏まずに歩くのに苦労しました。

 

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ブルガリア人が大切にしているキリル文字と、日本のかな文字が刻まれた石の彫刻。

 

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とても気持ちのよいお庭です。

 

そして、予想を上回るトイレの混雑を見かねた大使館の方が特別に許可してくださり、なんと急遽、大使館のトイレを貸していただくことに!

 

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大使館へ入るところのタイルがおしゃれ!

 

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中に入るとこんな感じ。広ーい。シルエット写真になってしまいましたが、体格の良い男性が、今回とてもお世話になった大使館の方。笑顔の優しい方でした。

 

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飾られていた民族衣装、とても手が込んでいて美しい。

 

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公邸と大使館をつなぐ急こう配の階段。これは大使館側から見たところ。行きはよいよい、帰りはこわい、で、帰りはがんばって階段をのぼりました。大使はここを行き来されて公務にあたっているのですね〜。いい運動になります。

 

そして調香師、津田啓一郎さんによるセミナーとフレグランスクラフト作りも行われました。

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ピアノ伴奏も入って優雅な雰囲気のセミナー。ローズの香りの特徴やブレンドについて学んだ後、グレープフルーツが爽やかなフレッシュブレンドかイランイランの豊かな香りの芳醇ブレンドかを選んで、クラフト作りをしました。

 

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どちらもいい香りで悩んだ末、私はトップノートにイランイラン、ミドルノートにローズアブソリュート、オークモス、トンカビーンズ、ベースにシダーウッドを使った芳醇ブレンドを。

 

ローズだけだと「(香りが)ケバくなってしまう」と津田さん。しかし、いろんな精油と相性が良いのも特徴で、爽やかな柑橘系・グリーン系や、華やかなフローラル系、落ち着いた樹木系など、用途や香りの好みに合わせてブレンドすることで、よりローズの良い香りが強調されて楽しめる、とのこと。

 

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こんなお庭を眺めながらのクラフト作りなんて初めてで、本当に気分が上がります。

 

 

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お庭だけでなく、建物も素敵なんです。

 

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 日本家屋を生かした作りになっています。

 

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セミナーを行った部屋の後ろには絵画が飾られていました。

 

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寄木細工と調和した照明。

 

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ブルガリア出身の元力士・琴欧洲関の写真もありました(相撲好きにはたまらない)!

 

 

素敵な場所での濃い学びの一日。おいしいお料理も食べられて、そのうえ、フレグランスクラフトだけでなく、ブルガリアならではのお土産もいただきました!

 

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「マルティニッツァ」という、春の訪れを歓迎する人形のお守り。白い方が男の子、赤い方が女の子。これを身につけているときに花やコウノトリなど「春」を見つけたら、その場所近くの木に結びつけると、健康で幸せになれるのだそうです。今回作ったフレグランスを入れる容器つきのペンダントになっています。かわいいですね☆

 

一日ここで過ごして、すーっかりブルガリアという国とブルガリアンローズに魅せられてしまった私。ああ、幸せだったなぁ。ローズの谷へ花摘みの旅に行く!という夢ができました☆

 

さまざまな工夫をこらして素晴らしい会を開いてくださった主催者の方、いろいろ気を配ってくださった大使館の方に感謝です!

 

最後にひとこと。

 

ブルガリア、行きたーい!

 

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