les feuilles

ルボア卒業生AMPP認定マスター/メディカル・フィトテラピストによるフィトテラピーな毎日

今から風邪・花粉症対策です。<後編: にんにく>

私が、通年を通して、M.P.C.T(メディカルフィトテラピーセンターTOKYO)の活動の中で、伝えていることは、「免疫力の強化」と「アレルギー体質の改善」です。そろそろ季節は夏から秋へ、移り変わろうとしていますが、いまから、秋や冬場の病気の予防についてお支度をしていきたいものです。ということで、先日の続編です。忙しい方でも大丈夫! 今回も簡単・便利なフィトテラピー実践法です。ぜひ、生活に取り入れてみてくださいね。

 

◇後編: 「にんにく」

ちょっと思い出

子供のころ、風邪の初期の薬は、「にんにく」をうすくスライスしじっくりと乾煎りしたものでした。なぜかオブラートに包んでごっくんとのんでいました。部活動から帰ってきて、塾へいく間にいただくおやつは、ニラ野菜炒めがブームのときがありました。貧血の激しかった私へのスペシャルなおやつ?だったようです。末端冷え症で冬はいつもしもやけができてはれあがっていた手足の指には、大根をうすくスライスしたものをストーブで炙りながら、何度もシップをしてくれました。怪我や火傷には、長崎で「びわ」の果樹園を営む母の実家秘伝の「あぶら薬」をぬってくれました。今思えば、おそらく「枇杷」の葉の成分だったのではないかと。こんなふうに、あまり身体の強くなかった私のために、母が色々と工夫をしてくれていたことをとてもよく覚えています。最近は、矛先は、愛犬シフォンに向けられていて、夏には、うなぎを食べさせます。いいのかどうかわかりませんが、お友だちのうちのワンコが「元気がなかったのに、うなぎを食べたら階段を駆け上がった!」という話しを信じて実践しているようです(笑) 

 

にんにく注射 は にんにくにはあらず

さて、にんにく話し。干支が一巡りするほど前の話しになりますが、「にんにく注射」なるものも流行りました。点滴ですと、20分ぐらい。はじめて少したつと鼻からぬけるぷーんとした香りがにくにくそのもの。1回で、4-5日は元気に過ごせましたね。ストレートネックからくる頸椎から背中にかけての痛みで困っていた私は、痛みを和らげ疲労回復に効くらしいというのでしばらくつづけていました。でもこれ、にんにくが入っているのかとおもいきや、実はにんにく注射の成分はにんにくそのものではありません。にんにく注射の主成分はビタミンB1とグリコーゲン。VB1があのにくにく臭の正体です。逆に、これらの成分とほぼ同じものがニンニクにも含まれていることから、「にんにく注射」ととある先生が名づけたようです。

さてこのにんにく注射の主成分、VB1の一番の特徴は、糖を確実にエネルギーに換える働きがあるということ。この働きは疲労回復に効果ありです。疲れやだるさの原因は乳酸という、筋肉に滞る疲労物質。VB1は、乳酸を除去する力と、血行促進&新陳代謝活性の効果も持って、これが不足すると肥満につながるということがわかっています。なぜなら、VB1が無いと糖はエネルギーにかわることができずに、そのまま脂肪として蓄積されていくしかないからです。サプリメントやドリンク剤の経口(口から摂取)でも補うことが可能ですが、腸の吸収力がにぶくなっていたりすると身体に行き渡らずに排出されてしまいますから、注射や点滴で高濃度なビタミンを静脈注射して血液から摂取することで即効性があり、血流にのって全身に行き渡り確実な効果が期待できます。

 

いよいよ にんにく そのものの話し

 デザイナーフーズ・ピラミツドの頂点に君臨する「にんにく」。免疫力アップでガン予防、動脈硬化予防、アルツハイマー予防、シミ防止、スタミナ回復などなど、様々なパワーを持っている最強の抗酸化・スーパー食材です。

 

デザイナーフーズ・ピラミッド がん予防食品一覧

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注目すべき成分が、「アホエン」。TVで取り上げられましたから、ご覧になった方もいらっしゃるのではと思います。この「アホエン」という成分が すごいらしいのです。にんにくの臭いの元であるアリシンが分解してできる成分で、脳年齢を若返らせ、頭を良くする働きがあるという効果が化学的にも検証されました。アホエンを上手に使えば、脳の活性化、美肌効果や免疫力アップ、ガンの予防、心臓病や脳卒中の予防など様々な効果あり。しかし、アホエンはオイルを使ったある調理法でしか取り出すことができないデリケートな成分なのだそうです。オイルで炒めればいいんだ!そ。もちろんそうなんですけれど・・熱々がいいわけではないんですよー。これにはびっくりでした。

 

アホエンをより多く生成する方法

その① 

にんにくを刻んだあと、2時間置く。これにより通常の3倍もアホエンが生成されます!(香味野菜は、刻んで少し放置するといいというのは本当だったんですね。)

その② 

約50℃で3時間ほど温める。これにより80℃で温めた時と比べて3倍も生成されます!

この2点で、通常より物凄くアホエンが増えるということでした。しかし、これは、専門家による実験です。この方法が分かっても家で作るときはそんなことはやってられませんから!!!  では一体どうすれば!?ということで、アホエンたっぷりニンニクオイルの作り方が紹介されていました。早速、実践です。大丈夫大丈夫、放置するだけですから。しかも、一度つくってしまえば、実に便利です。いちいち、まな板や包丁、指先などに、にんにくの香りがついてしまうことから解放されますし、何と言っても、化学調味料なしで どんなメニューでも、ささっと料理で味が決まる。家事にかかる時間を時短することができますね。

 

◇アホエンたっぷりニンニクオイルの作り方◇

①ニンニクを細かく刻むだけ

②それをボウル(瓶)に入れて2時間ほど放置するだけ

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③そこにオリーブオイルを、ニンニクの高さの2倍くらいまで注ぐだけ

  (あっなっていない。ご愛嬌^^ )

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④お鍋にお湯を沸騰させます。沸騰したら火を止め、そこにボウルごとニンニクオイルを入れるだけ

(お湯が中に入らないように注意)そのまま3時間ほど放置するだけ。

 

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これだけで出来上がり!

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うん、これなら時間はかかるけど放っておくだけなので簡単に作れますね!そして出来上がったオイルは、酸化を防ぐために瓶に詰めてフタをして冷蔵庫で保存し、1週間を目安に使い切るようにしましょう。和洋中なんでもかんでも。ちなみに、これで作ったチャーハン。ねぎとたまごと搾菜 これだけで なんと 珍さんの味に(←誰?!) 利用法は、色々と工夫をしてみてくださいね。

 

2回にわたって 免疫UPの食材をご紹介しました。台風のあとは、秋雨前線の停滞で、長雨予報。一雨ごとに涼しくなっていく季節ですね。麻疹(はしか)もパンデミック(大流行)一部で流行っているという怖い話も出ていますね。免疫を高めて、病気を寄せつけない丈夫な身体をつくり、美肌にも効果的。お野菜(植物)の有効成分・フィトケミカル万歳♡ フィトテラピー・秋冬のお支度編はこれにて。どうぞみなさま、お元気でお過ごしくださいね。

前回の文末でご案内した、フィトテラピー実践講座・フィールドワーク(9月30日)は、お陰様で、満席となりました。今後も、楽しい企画をどんどん発信してまいりますので、ぜひ、ご参加くださいね。

Ciao~♡

 
◇前編: 「ビーポーレン」 

lebois-medi02.hatenablog.jp