ふれる
wakanaの記事を読んで、一緒にトリートメントを学んだ日々を懐かしく思った先週の木曜日。
ふれる。
五感の中では長らく、「嗅覚」をいちばん信用していた私。それが、フランス暮らしのなかで、「触覚」が鋭敏になりました。
HugにBisouは、あいさつの基本。恋人やパートナーならまだしも、親しい人たちの存在も、「肌」を通じて感じ取る。
一年に満たない時間の中でも、その習慣は私に大きな変化をもたらしました。
帰国からしばらく経ち、地元で買物を終えて帰宅する途中、
「代々木公園の桜が見たいの。こっちで合ってる?」
一人の女性が、英語で話しかけてきました。
ちょうど方向が同じだったので、公園の入口まで案内すると伝え、二人で歩き出しました。
「あなたはパリに行ったことがあるの?」
はい。去年、少し住んでいました。
「私、パリから桜を見に来たの。あなたの持ってるエコバック、パリのスーパーのものよね!」
まさしく。
「パリへは、語学留学?」
いいえ、調香を学びに。
「調香!素敵ね。私たちにとって香りを身にまとうことは習慣だけれど、あなたたち日本人は、どう?
日本人からは、あまり香りがしてこないわよね」
それは・・・難しい質問。
彼女の質問のおかげで、私なりに気付いたこと。
フランス人は、衣類・リネン類はもちろんのこと、肌を、自身のおめがねに叶った香りで香らせる。
(彼らは、「人と同じ」という発想がない。オリジナリティと、本当に自分が心地よいかが重要)
日本人は、肌より、衣類を香らせる。もっぱら、柔軟剤で!
(衣に香を焚きしめていた頃からの伝統?それにひとつの香りが爆発的に流行しやすい。街に漂う香りが、均一な気がする)
パリからの旅人はとても不思議そう。
「日本人は香りを肌に直接つけないの?私たちとまるで違うわね!」
話しているとあっという間、彼女は満面の笑みを携えて、桃色の代々木公園に吸い込まれていきました。
気づきの天使に会ってしまった・・・
日本人は、肌に/で触れる機会が少ない。でも、香りの本場であるフランスでは、とにかく触れる機会が多い。
うん、「ふれる」を学ぼう。
私が求める香りの世界は、鼻や舌からだけではなくて、指先や手のひらからも広がってゆくのかもしれない。
そんな思いに導かれたのか、ルボアではメディカルコースと同時に、トリートメントコースも学ぶことにしたのですが、やはり思った通り、より香りの深い世界を知ることができたと感じます。
実は、明日から月末まで、とある場所で施術をしてきます。
指先から手のひらから、いろんなことが感じられるといいなあ。